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企業会計原則
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第三 貸借対照表原則
第三 貸借対照表原則
(貸借対照表の本質)
一
貸借対照表は、
企業の財政状態
を明らかにするため、
貸借対照表日
におけるすべての
資産
、
負債
及び
資本
を記載し、
株主
、
債権者
その他の
利害関係者
にこれを正しく
表示
するものでなければならない。ただし、
正規の簿記
の原則に従って処理された場合に生じた
簿外資産
及び
簿外負債
は、貸借対照表の記載外に
おくことができる
。(
注1
)
A
資産、負債及び資本は、適当な
区分
、
配列
、
分類
及び
評価
の
基準
に従って記載しなければならない。
B
資産、負債及び資本は、
総額
によって記載することを原則とし、資産の項目と負債又は資本の項目とを
相殺
することによって、その
全部又は一部
を貸借対照表から
除去してはならない
。
C
受取手形の割引高又は裏書譲渡高、保証債務等の偶発債務、債務の担保に供している資産、発行済株式1株当たり当期純利益及び同1株当たり純資産額等企業の
財務内容
を判断するために重要な事項は、貸借対照表に
注記
しなければならない。
D
将来の期間に影響する特定の費用
は、次期以降の期間に配分して処理するため、
経過
的に貸借対照表の資産の部に記載
することができる
。(
注15
)
E
貸借対照表の資産の合計金額は、負債と資本の合計金額に
一致
しなければならない。
(貸借対照表の区分)
二
貸借対照表は、
資産の部
、
負債の部
及び
資本の部
の三区分に分ち、さらに資産の部を
流動資産
、
固定資産
及び
繰延資産
に、負債の部を
流動負債
及び
固定負債
に区分しなければならない。
(貸借対照表の配列)
三
資産及び負債の項目の配列は、原則として、
流動性配列法
によるものとする。
(貸借対照表の分類)
四
資産、負債及び資本の各
科目
は、一定の
基準
に従って
明瞭に分類
しなければならない。
(一)
資産
資産は、
流動資産
に属する資産、
固定資産
に属する資産及び
繰延資産
に属する資産に区別しなければならない。
仮払金
、
未決算
等の勘定を貸借対照表に記載するには、その
性質
を示す
適当な科目
で表示しなければならない。(
注16
)
A
現金預金、
市場性ある
有価証券で
一時的所有
のもの、取引先との
通常の商取引
によって生じた受取手形、売掛金等の
債権
、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等の
たな卸資産
及び
期限が一年以内に到来
する債権は、
流動資産
に属するものとする。
前払費用
で一年以内に費用となるものは、
流動資産
に属するものとする。
受取手形、売掛金その他流動資産に属する債権は、
取引先との通常の商取引上
の債権と
その他
の債権とに区別して表示しなければならない。
B
固定資産は、
有形固定資産
、
無形固定資産
及び
投資その他の資産
に区分しなければならない。
建物、
構築物
、
機械装置
、船舶、車両運搬具、工具器具備品、土地、
建設仮勘定
等は、
有形固定資産
に属するものとする。
営業権
、特許権、地上権、商標権等は、
無形固定資産
に属するものとする。
子会社株式その他流動資産に属しない有価証券、出資金、長期貸付金並びに有形固定資産、無形固定資産及び繰延資産に属するもの以外の
長期資産
は、
投資その他の資産
に属するものとする。
有形固定資産に対する
減価償却累計額
は、原則として、その資産が属する
科目
ごとに
取得原価
から控除する形式で記載する。(
注17
)
無形固定資産については、
減価償却額
を控除した
未償却残高
を記載する。
C
創立費
、開業費、
新株発行費
、
社債発行費
、社債発行差金、
開発費
、試験研究費及び建設利息は、
繰延資産
に属するものとする。これらの資産については、
償却額
を控除した
未償却残高
を記載する。(
注15
)
D
受取手形、売掛金その他の債権に対する
貸倒引当金
は、原則として、その債権が属する
科目
ごとに
債権金額
又は
取得価額
から控除する形式で記載する。(
注17
)(
注18
)
債権のうち、
役員等企業の内部の者
に対するものと
親会社又は子会社
に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は
注記
の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。
(二)
負債
負債は、
流動負債
に属する負債と
固定負債
に属する負債とに区別しなければならない。
仮受金
、
未決算
等の勘定を貸借対照表に記載するには、その
性質
を示す
適当な科目
で表示しなければならない。(
注16
)
A
取引先との
通常の商取引
によって生じた支払手形、買掛金等の
債務
及び
期限が一年以内に到来
する債務は、
流動負債
に属するものとする。
支払手形、買掛金その他流動負債に属する債務は、
取引先との通常の商取引上
の債務と
その他の
債務とに区別して表示しなければならない。
引当金のうち、賞与引当金、工事補償引当金、修繕引当金のように、
通常一年以内
に使用される
見込のもの
は
流動負債
に属するものとする。(
注18
)
B
社債、長期借入金等の
長期債務
は、
固定負債
に属するものとする。
引当金のうち、退職給与引当金、特別修繕引当金のように、
通常一年
をこえて使用される
見込のもの
は、
固定負債
に属するものとする。(
注18
)
C
債務のうち、
役員等企業の内部の者
に対するものと
親会社又は子会社
に対するものは、特別の科目を設けて区別して表示し、又は
注記
の方法によりその内容を明瞭に示さなければならない。
(三)
資本
資本は、
資本金
に属するものと
剰余金
に属するものとに区別しなければならない。(
注19
)
A
資本金の区分には、
法定資本の額
を記載する。発行済株式の数は普通株、優先株等の種類別に
注記
するものとする。
B
剰余金は、
資本準備金
、
利益準備金
及び
その他の剰余金
に区分して記載しなければならない。
株式払込剰余金
、
減資差益
及び
合併差益
は、資本準備金として表示する。
その他の剰余金の区分には、
任意積立金
及び
当期未処分利益
を記載する。
C
新株式払込金
又は申込期日経過後における
新株式申込証拠金
は、資本金の区分の
次
に特別の区分を設けて表示しなければならない。
D
法律
で定める準備金で資本準備金又は利益準備金に準ずるものは、資本準備金又は利益準備金の
次
に特別の区分を設けて表示しなければならない。
(資産の貸借対照表価額)
五
貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の
取得原価
を基礎として計上しなければならない。
資産の
取得原価
は、
資産の種類
に応じた
費用配分
の原則によって、各事業年度に
配分
しなければならない。有形固定資産は、当該資産の
耐用期間
にわたり、
定額
法、
定率
法等の一定の
減価償却
の方法によって、その
取得原価
を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の
有効期間
にわたり、一定の
減価償却
の方法によって、その
取得原価
を各事業年度に配分しなければならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に
均等額以上
を配分しなければならない。(
注20
)
A
商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等の
たな卸資産
については、原則として
購入代価
又は
製造原価
に引取費用等の
付随費用
を加算し、これに
個別
法、
先入先出
法、
後入先出
法、
平均原価
法等の方法を適用して算定した
取得原価
をもって
貸借対照表価額
とする。ただし、時価が取得原価より
著しく下落
したときは、
回復する見込
があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額と
しなければならない
。(
注9
)(
注10
)(
注21
)
たな卸資産
の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定
することができる
。(
注10
)
B
有価証券については、原則として
購入代価
に手数料等の
付随費用
を加算し、これに
平均原価
法等の方法を適用して算定した
取得原価
をもって
貸借対照表価額
とする。ただし、
取引所の相場
のある有価証券については、時価が
著しく下落
したときは、
回復する
見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額と
しなければならない
。取引所の相場のない有価証券のうち
株式
については、当該会社の
財政状態
を反映する株式の
実質価額
が著しく低下したときは、
相当の減額
をしなければならない。(
注22
)
取引所の相場のある有価証券で
子会社の株式
以外のものの貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定
することができる
。
C
受取手形、売掛金その他の債権の貸借対照表価額は、
債権金額
又は
取得価額
から
正常な貸倒見積高
を控除した金額とする。(
注23
)
D
有形固定資産については、その
取得原価
から
減価償却累計額
を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産の引取費用等の
付随費用
を含める。
現物出資
として受入れた固定資産については、
出資者
に対して
交付
された
株式の発行価額
をもって取得原価とする。(
注24
)
償却済の有形固定資産は、
除却
されるまで
残存価額
又は
備忘価額
で記載する。
E
無形固定資産については、当該資産の
取得のために支出した金額
から
減価償却累計額
を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。(
注25
)
F
贈与
その他
無償
で取得した資産については、
公正な評価額
をもって取得原価とする。(
注24
)
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