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第ニ 商法と繰延資産
現行商法は、次の四つの金額に限って、いわゆる繰延経理を行なうことを認め、繰延経理の対象とされた金額を、貸借対照表の資産の部に掲記するものとしている。
1 |
設立費−会社の負担に属すべき設立費用、および発起人が受くべき報酬の額、ならびに設立登記のための税額(第二八六条)
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2 |
新株発行費−新株の発行のために必要な費用(第二八六条ノ二)
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3 |
社債発行差額−社債権者に償還すべき金額の総額が社債の発行によって得た実額を超過する金額(第二八七条)
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4 |
建設利息−会社成立後二年以上、会社の目的たる営業の全部を開業できないと認められるとき、開業前一定期間内に株主に支払った利息の額(第二九一条)
企業会計原則の立場からすれば、現行商法における繰延資産の諸規定に関し、少なくとも、次の諸点につき改正することが必要である。
(1) |
開業費の繰延経理を認めること。 |
(2) |
社債発行費の繰延経理を認めること。 |
(3) |
開発費と試験研究費につき、繰延経理を認めること。
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