www.dff.jp

会計基準R TOPGUIDELINKFORM MAIL

>> TOP
  >> 原価計算基準
    >> 第ニ章 実際原価の計算
      >> 第四節 原価の製品別計算


第三節 原価の部門別計算第五節 販売費および一般管理費の計算ドキュメント情報


第四節 原価の製品別計

一九  原価の製品別計算および原価単位

 原価の製品別計算とは、原価要素を一定の製品単位に集計し、単位製品の製造原価を算定する手続をいい、原価計算における第三次の計算段階である。
 製品別計算のためには、原価を集計する一定の製品単位すなわち原価単位を定める。原価単位は、これを個数、時間数、度量衡単位等をもって示し、業種の特質に応じて適当に定める。

二〇  製品別計算の形態

 製品別計算は、経営における生産形態の種類別に対応して、これを次のような類型に区分する。
 (一) 単純総合原価計算
  (二) 等級別総合原価計算
  (三) 組別総合原価計算
  (四) 個別原価計算
 
二一  単純総合原価計算

 単純総合原価計算は、同種製品を反復連続的に生産する生産形態に適用する。単純総合原価計算にあっては、一原価計算期間(以下これを「一期間」という。)に発生したすべての原価要素を集計して当期製造費用を求め、これに期首仕掛品原価を加え、この合計額(以下これを「総製造費用」という。)を、完成品と期末仕掛品とに分割計算することにより、完成品総合原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算する。

二二  等級別総合原価計算

 等級別総合原価計算は、同一工程において、同種製品を連続生産するが、その製品を形状、大きさ、品位等によって等級に区分する場合に適用する。
 等級別総合原価計算にあっては、各等級製品について適当な等価係数を定め、一期間における完成品の総合原価又は一期間の製造費用を等価係数に基づき各等級製品に按分してその製品原価を計算する。

 等価係数の算定およびこれに基づく等級製品原価の計算は、次のいずれかの方法による。

(一)  各等級製品の重量、長さ、面積、純分度、熱量、硬度等原価の発生と関連ある製品の諸性質に基づいて等価係数を算定し、これを各等級製品の一期間における生産量に乗じた積数の比をもって、一期間の完成品の総合原価を一括的に各等級製品に按分してその製品原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算する。

(二)  一期間の製造費用を構成する各原価要素につき、又はその性質に基づいて分類された数個の原価要素群につき、各等級製品の標準材料消費量、標準作業時間等各原価要素又は原価要素群の発生と関連ある物量的数値等に基づき、それぞれの等価係数を算定し、これを各等級製品の一期間における生産量に乗じた積数の比をもって、各原価要素又は原価要素群を按分して、各等級製品の一期間の製造費用を計算し、この製造費用と各等級製品の期首仕掛品原価とを、当期における各等級製品の完成品とその期末仕掛品とに分割することにより、当期における各等級製品の総合原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算する。
 この場合、原価要素別又は原価要素群別に定めた等価係数を個別的に適用しないで、各原価要素又は原価要素群の重要性を加味して総括し、この総括的等価係数に基づいて、一期間の完成品の総合原価を一括的に各等級製品に按分して、その製品原価を計算することができる。

二三  組別総合原価計算

 組別総合原価計算は、異種製品を組別に連続生産する生産形態に適用する。
 組別総合原価計算にあっては、一期間の製造費用を組直接費と組間接費又は原料費と加工費とに分け、個別原価計算に準じ、組直接費又は原料費は、各組の製品に賦課し、組間接費又は加工費は、適当な配賦基準により各組に配賦する。次いで一期間における組別の製造費用と期首仕掛品原価とを、当期における組別の完成品とその期末仕掛品とに分割することにより、当期における組別の完成品総合原価を計算し、これを製品単位に均分して単位原価を計算する。

二四  総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価

 単純総合原価計算、等級別総合原価計算および組別総合原価計算は、いずれも原価集計の単位が期間生産量であることを特質とする。すなわち、いずれも継続製造指図書に基づき、一期間における生産量について総製造費用を算定し、これを期間生産量に分割負担させることによって完成品総合原価を計算する点において共通する。したがって、これらの原価計算を総合原価計算の形態と総称する。

 総合原価計算における完成品総合原価と期末仕掛品原価は、次の手続により算定する。

(一)  まず、当期製造費用および期首仕掛品原価を、原則として直接材料費と加工費とに分け、期末仕掛品の完成品換算量を直接材料費と加工費とについて算定する。
 期末仕掛品の完成品換算量は、直接材料費については、期末仕掛品に含まれる直接材料消費量の完成品に含まれるそれに対する比率を算定し、これを期末仕掛品現在量に乗じて計算する。加工費については、期末仕掛品の仕上り程度の完成品に対する比率を算定し、これを期末仕掛品現在量に乗じて計算する。

(二)  次いで、当期製造費用および期首仕掛品原価を、次のいずれかの方法により、完成品と期末仕掛品とに分割して、完成品総合原価と期末仕掛品原価とを計算する。

 当期の直接材料費総額(期首仕掛品および当期製造費用中に含まれる直接材料費の合計額)および当期の加工費総額(期首仕掛品および当期製造費用中に含まれる加工費の合計額)を、それぞれ完成品数量と期末仕掛品の完成品換算量との比により完成品と期末仕掛品とに按分して、それぞれ両者に含まれる直接材料費と加工費とを算定し、これをそれぞれ合計して完成品総合原価および期末仕掛品原価を算定する(平均法)。

 期首仕掛品原価は、すべてこれを完成品の原価に算入し、当期製造費用を、完成品数量から期首仕掛品の完成品換算量を差し引いた数量と期末仕掛品の完成品換算量との比により、完成品と期末仕掛品とに按分して完成品総合原価および期末仕掛品原価を算定する(先入先出法)。

 期末仕掛品の完成品換算量のうち、期首仕掛品の完成品換算量に相当する部分については、期首仕掛品原価をそのまま適用して評価し、これを超過する期末仕掛品の完成品換算量と完成品数量との比により、当期製造費用を期末仕掛品と完成品とに按分し、期末仕掛品に対して按分された額と期首仕掛品原価との合計額をもって、期末仕掛品原価とし、完成品に按分された額を完成品総合原価とする(後入先出法)。

 前三号の方法において、加工費について期末仕掛品の完成品換算量を計算することが困難な場合には、当期の加工費総額は、すべてこれを完成品に負担させ、期末仕掛品は、直接材料費のみをもって計算することができる。

 期末仕掛品は、必要ある場合には、予定原価又は正常原価をもって評価することができる。

 期末仕掛品の数量が毎期ほぼ等しい場合には、総合原価の計算上これを無視し、当期製造費用をもってそのまま完成品総合原価とすることができる。

二五  工程別総合原価計算

 総合原価計算において、製造工程が二以上の連続する工程に分けられ、工程ごとにその工程製品の総合原価を計算する場合(この方法を「工程別総合原価計算」という。)には、一工程から次工程へ振り替えられた工程製品の総合原価を、前工程費又は原料費として次工程の製造費用に加算する。この場合、工程間に振り替えられる工程製品の計算は、予定原価又は正常原価によることができる。

二六  加工費工程別総合原価計算

 原料がすべて最初の工程の始点で投入され、その後の工程では、単にこれを加工するにすぎない場合には、各工程別に一期間の加工費を集計し、それに原料費を加算することにより、完成品総合原価を計算する。この方法を加工費工程別総合原価計算(加工費法)という。

二七  仕損および減損の処理

 総合原価計算においては、仕損の費用は、原則として、特別に仕損費の費目を設けることをしないで、これをその期の完成品と期末仕掛品とに負担させる。
 加工中に蒸発、粉散、ガス化、煙化等によって生ずる原料の減損の処理は、仕損に準ずる。

二八  副産物等の処理と評価

 総合原価計算において、副産物が生ずる場合には、その価額を算定して、これを主産物の総合原価から控除する。副産物とは、主産物の製造過程から必然に派生する物品をいう。

 副産物の価額は、次のような方法によって算定した額とする。

(一)  副産物で、そのまま外部に売却できるものは、見積売却価額から販売費および一般管理費又は販売費、一般管理費および通常の利益の見積額を控除した額

(二)  副産物で、加工の上売却できるものは、加工製品の見積売却価額から加工費、販売費および一般管理費又は加工費、販売費、一般管理費および通常の利益の見積額を控除した額

(三)  副産物で、そのまま自家消費されるものは、これによって節約されるべき物品の見積購入価額

(四)  副産物で、加工の上自家消費されるものは、これによって節約されるべき物品の見積購入価額から加工費の見積額を控除した額
 軽微な副産物は、前項の手続によらないで、これを売却して得た収入を、原価計算外の収益とすることができる。
 作業くず、仕損品等の処理および評価は、副産物に準ずる。

二九  連産品の計算

 連産品とは、同一工程において同一原料から生産される異種の製品であって、相互に主副を明確に区別できないものをいう。連産品の価額は、連産品の正常市価等を基準として定めた等価係数に基づき、一期間の総合原価を連産品に按分して計算する。この場合、連産品で、加工の上売却できるものは、加工製品の見積売却価額から加工費の見積額を控除した額をもって、その正常市価とみなし、等価係数算定の基礎とする。ただし、必要ある場合には、連産品の一種又は数種の価額を副産物に準じて計算し、これを一期間の総合原価から控除した額をもって、他の連産品の価額とすることができる。

三〇  総合原価計算における直接原価計算

 総合原価計算において、必要ある場合には、一期間における製造費用のうち、変動直接費および変動間接費のみを部門に集計して部門費を計算し、これに期首仕掛品を加えて完成品と期末仕掛品とに按分して製品の直接原価を計算し、固定費を製品に集計しないことができる。
 この場合、会計年度末においては、当該会計期間に発生した固定費額は、これを期末の仕掛品および製品と当年度の売上品とに配賦する。

三一  個別原価計算

 個別原価計算は、種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する。
 個別原価計算にあっては、特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計し、製品原価は、これを当該指図書に含まれる製品の生産完了時に算定する。
 経営の目的とする製品の生産にさいしてのみでなく、自家用の建物、機械、工具等の製作又は修繕、試験研究、試作、仕損品の補修、仕損による代品の製作等にさいしても、これを特定指図書を発行して行なう場合は、個別原価計算の方法によってその原価を算定する。

三二  直接費の賦課

 個別原価計算における直接費は、発生のつど又は定期に整理分類して、これを当該指図書に賦課する。

(一)  直接材料費は、当該指図書に関する実際消費量に、その消費価格を乗じて計算する。消費価格の計算は、第二節一一の(三)に定めるところによる。
 自家生産材料の消費価格は、実際原価又は予定価格等をもって計算する。

(二)  直接労務費は、当該指図書に関する実際の作業時間又は作業量に、その賃率を乗じて計算する。賃率の計算は、第二節一二の(一)に定めるところによる。

(三)  直接経費は、原則として当該指図書に関する実際発生額をもって計算する。

三三  間接費の配賦

(一)  個別原価計算における間接費は、原則として部門間接費として各指図書に配賦する。

(二)  間接費は、原則として予定配賦率をもって各指図書に配賦する。

(三)  部門間接費の予定配賦率は、一定期間における各部門の間接費予定額又は各部門の固定間接費予定額および変動間接費予定額を、それぞれ同期間における当該部門の予定配賦基準をもって除して算定する。

(四)  一定期間における各部門の間接費予定額又は各部門の固定間接費予定額および変動間接費予定額は、次のように計算する。

 まず、間接費を固定費および変動費に分類して、過去におけるそれぞれの原価要素の実績を把握する。この場合、間接費を固定費と変動費とに分類するためには、間接費要素に関する各費目を調査し、費目によって固定費又は変動費のいずれかに分類する。準固定費又は準変動費は、実際値の変化の調査に基づき、これを固定費又は変動費とみなして、そのいずれかに帰属させるか、もしくはその固定費部分および変動費率を測定し、これを固定費と変動費とに分解する。

 次に、将来における物価の変動予想を考慮して、これに修正を加える。

 さらに固定費は、設備計画その他固定費に影響する計画の変更等を考慮し、変動費は、製造条件の変更等変動費に影響する条件の変化を考慮して、これを修正する。

 変動費は、予定操業度に応ずるように、これを算定する。

(五)  予定配賦率の計算の基礎となる予定操業度は、原則として、一年又は一会計期間において予期される操業度であり、それは、技術的に達成可能な最大操業度ではなく、この期間における生産ならびに販売事情を考慮して定めた操業度である。
 操業度は、原則として直接作業時間、機械運転時間、生産数量等間接費の発生と関連ある適当な物量基準によって、これを表示する。
 操業度は、原則としてこれを各部門に区分して測定表示する。

(六)  部門間接費の各指図書への配賦額は、各製造部門又はこれを細分した各小工程又は各作業単位別に、次のいずれかによって計算する。

 間接費予定配賦率に、各指図書に関する実際の配賦基準を乗じて計算する。

 固定間接費予定配賦率および変動間接費予定配賦率に、それぞれ各指図書に関する実際の配賦基準を乗じて計算する。

(七)  一部の補助部門費を製造部門に配賦しないで、直接に指図書に配賦する場合には、そのおのおのにつき適当な基準を定めてこれを配賦する。

三四  加工費の配賦

 個別原価計算において、労働が機械作業と密接に結合して総合的な作業となり、そのため製品に賦課すべき直接労務費と製造間接費とを分離することが困難な場合その他必要ある場合には、加工費について部門別計算を行ない、部門加工費を各指図書に配賦することができる。部門加工費の指図書への配賦は、原則として予定配賦率による。予定加工費配賦率の計算は、予定間接費配賦率の計算に準ずる。

三五  仕損費の計算および処理

 個別原価計算において、仕損が発生する場合には、原則として次の手続により仕損費を計算する。

(一)  仕損が補修によって回復でき、補修のために補修指図書を発行する場合には、補修指図書に集計された製造原価を仕損費とする。

(二)  仕損が補修によって回復できず、代品を製作するために新たに製造指図書を発行する場合において

旧製造指図書の全部が仕損となったときは、旧製造指図書に集計された製造原価を仕損費とする。

 旧製造指図書の一部が仕損となったときは、新製造指図書に集計された製造原価を仕損費とする。

(三)  仕損の補修又は代品の製作のために別個の指図書を発行しない場合には、仕損の補修等に要する製造原価を見積ってこれを仕損費とする。

 前記(二)又は(三)の場合において、仕損品が売却価値又は利用価値を有する場合には、その見積額を控除した額を仕損費とする。
 軽微な仕損については、仕損費を計上しないで、単に仕損品の見積売却価額又は見積利用価額を、当該製造指図書に集計された製造原価から控除するにとどめることができる。

 仕損費の処理は、次の方法のいずれかによる。

(一)  仕損費の実際発生額又は見積額を、当該指図書に賦課する。

(二)  仕損費を間接費とし、これを仕損の発生部門に賦課する。この場合、間接費の予定配賦率の計算において、当該製造部門の予定間接費額中に、仕損費の予定額を算入する。

三六  作業くずの処理

 個別原価計算において、作業くずは、これを総合原価計算の場合に準じて評価し、その発生部門の部門費から控除する。ただし、必要ある場合には、これを当該製造指図書の直接材料費又は製造原価から控除することができる。

上にスクロール上にスクロール
第五節 販売費および一般管理費の計算第五節 販売費および一般管理費の計算






書籍
検索
Google
WWW全体
サイト内
HP Directplus -HP公式オンラインストア-
資格講座
資格の大原
資格の学校TAC
LEC東京リーガル
マインド
クレアール
ダイエックス
ユーキャン
関連サイト
会計基準R
税法R
簿記ドリル
CPAドリル
FPドリル
行政書士ドリル
社労士ドリル
宅建ドリル
司法書士ドリル
仕訳エディタ


Copyright (C) 2003 - 2024 SAW 男の通販探索ネットストアなび