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1.連結の範囲等
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子会社の範囲
現行の連結原則では、子会社の判定基準として、親会社が直接・間接に議決権の過半数を所有しているかどうかにより判定を行う持株基準が採用されているが、国際的には、実質的な支配関係の有無に基づいて子会社の判定を行う支配力基準が広く採用されている。
現在我が国で採用されている持株基準も支配力基準の一つと解されるが、議決権の所有割合が百分の五十以下であっても、その会社を事実上支配しているケースもあり、そのような被支配会社を連結の範囲に含まない連結財務諸表は、企業集団に係る情報としての有用性に欠けることになる。
このような見地から、子会社の判定基準として、議決権の所有割合以外の要素を加味した支配力基準を導入し、他の会社(会社に準ずる事業体を含む。)の意思決定機関を支配しているかどうかという観点から、基準を設定することとする。
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(2) |
関連会社の範囲
現行の連結原則では、連結会社(親会社及び連結された子会社)が、子会社以外の他の会社の議決権の百分の二十以上を所有し、かつ、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる場合には、当該他の会社は関連会社に該当することとされている。
この取扱いによると、財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができると認められる場合であっても、議決権の所有割合が百分の二十未満であるときは、関連会社に該当せず、持分法が適用されないこととなる。
このため、関連会社の判定基準として、影響力基準を導入し、親会社及び子会社が、子会社以外の他の会社(会社に準ずる事業体を含む。)の財務及び営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができるかどうかという観点から、基準を設定することとする。
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(3) |
合弁会社に対する比例連結の適用の是非
現行の連結原則によると、共同支配の実態にある合弁会社(関連会社)については、他の関連会社と同様、原則として持分法が適用されることになるが、この度の連結原則の改訂に当たっては、個別貸借対照表及び個別損益計算書の各項目を持分比率に応じて連結する比例連結を認めるかどうかという問題も検討した。
この点については、混然一体となっている合弁会社の資産、負債等を一律に持分比率で按分して連結財務諸表に計上することは不適切であるとの指摘がなされていること等を考慮して、比例連結は導入せず、現行の取扱いを踏襲することとする。
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